EGS型地熱開発に向けた,岩石き裂のせん断滑りにともなう透水性変化挙動の解明

石橋琢也
(特定国立研究開発法人産業技術総合研究所
福島再生可能エネルギー研究所 研究員)

2017年6月26日月曜日

岩石変形実験は面白い①

私の専門は,岩石内の流体の移動現象です。
特に,割れ目(亀裂)中の流体流動移動現象に興味があり,この
現象に関わる種々の現象の理解を深めるために,実際の岩石サンプル
を使用した岩石実験を実施します。
このブログでは,読者の方に「岩石変形実験とはなんぞや,なんとため
にそんな実験をやる必要があるか?」を多少なりとも理解してもらうため,
少しずつですが実験のポイントであったり,意義,そしてどんなところに
楽しさや難しさがあるのかを紹介していきたいと思います。
そのなかで,たまには研究の進捗状況や最新の成果にも触れていきたいと
考えます。

まず,岩石変形実験を実施する意義を簡単に説明したいのですが,そのため
には「地熱発電」についての知識が少し必要です。
そこで,まずは「地熱発電」について簡単に紹介したいと思います。

地熱発電というのは文字どおり「地球の熱を利用した発電」です。
地表からだんだん深くなるにつれて地面の温度は上昇していき,地下数キロ
では,その温度が数百度に達することがあります。このような温度環境下にある
水は水蒸気となっており,この水蒸気を地上に取り出しタービンを回してやろう
というのが地熱発電です(ざっくりとした説明ですので,詳細は専門書や
インターネットの解説を参考にしてください)。
地熱発電を成功させるにあたっては,地下の熱,流体(水蒸気),そして流体の
通り道である岩石の割れ目の存在が必須条件となります。
すなわち,地下の熱で温められた流体(水蒸気)が岩石の割れ目を通って循環
して地上に組み上げられタービンを回すということです。

このようなシステムを適切にシミュレーションし,地熱発電所の生産可能性や
持続可能性等を評価するにあたっては,流体の通り道である「岩石部」の特性が
非常に重要となります。地熱発電所の能力が岩石部の特性に支配されるといって
も過言ではありません。
そんなわけで,この岩石部の特性を十分すぎるほど理解してやる必要があります。
(なんとなく,岩石変形実験につながる兆しがみえてきたでしょうか?)

次回は,上述で述べた「岩石変形実験を実施する意義」を説明したいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿